今年もスタート!「第17回 街あるき」レポート

 

2021年1月からスタートした「街あるき」。コロナ禍でも、諦めるんじゃなくて「出来ることは何か?」と模索しながらスタートした企画です。

おかげさまで、リピーターさんや遠方からも参加していただけるようになり、2023年は1月15日に「第17回 街あるき (上長迫・畑・平原コース)」に参加しました。
呉市役所前に集合し、みんなでテクテク和庄方面へ。

森沢ホテルの近くにある「城山・柳町自治会」の掲示板。
呉市は自治会の看板に昔の旧町名が記されており、あちこちでチェックしてみると面白いですよ。

和庄中を通り、明法寺の前を歩きます。
丸古玲子さんの”呉本”の中に「明法寺に防空壕が3つあり、その一つが泥を塗った板のおかげで避難者は無事であったが他の二つは防空壕の中で蒸し焼きとなり大勢が犠牲となった。」と記載があります。
和庄は呉空襲で、甚大な被害が出た地区です。何気ない風景の中にも、戦争があったことに思いを巡らせました。

そして、竹本さんが「ここに教会があります」と指し示してくれたのが「信愛教会」です。屋根の上にあるのは小さな十字架で、一見普通のお家のようですが、実はチェリーパーカーさんが結婚式を挙げた教会なのだそう!

ふむふむ。「第13回街あるき」(リンクあり)で長浜を歩いた時に、第二次世界大戦直後、オーストラリアに移住した戦争花嫁第1号のチェリー・パーカー(日本名・桜元信子)さんについては、勉強済みです。
また、大田中将のご子息、大田英雄さんも、この信愛教会の会員だったそう。
さすが、「街あるきスト」竹本哲朗さん!細かなリサーチに基づく説明が素晴らしい。
点と点だった人と歴史、場所が、どこかで繋がりあって物語になっているんだなぁ〜と感心します。

300本の桜の巨木で囲まれた「寺本公園」を歩き、「寺迫公園」の北側、堀ヶ迫城と杉迫城の付近もぶらぶら。
以前、和庄を歩いた「第11回街あるき〜和庄を歩きましょう」(リンクあり)の記事も参考までに。

途中、少し寄り道をして、猫が通るくらいの生活道路があるお家などもチェック。
海軍工廠ができて、急激に宅地を造成したため、車の入らない細い道、そして階段を登らないと行けないお家が、呉にはたくさんあります。そして、現在は「空き家」問題が深刻化しています。

「おや!このレンガの積み方は。いま残っているのは珍しいですよ〜〜!」と元建築関係にいた参加者が喜んでいました。
呉の住宅街の中には、こうしてひっそりと誰かに注目されることのないような「赤煉瓦」の歴史が残っています。

さらに登ると、視界が開けてきました。呉市役所が中央に見えます。直線距離にすると、そんなに遠くない距離なのですが、間には家がぎっしり立ち並び、迷路のような小道を通らなければ見えない風景です。
近くて遠いなぁ・・・・

歩いている道のそばには、こんな大きな鉄塔が。
限りなく山と住宅街の境界線がギリギリなのが、呉の街なのです。

上長迫町を歩いていると、「こんなところに立派な石碑があるんだねぇ〜」という石碑を発見!
1988(昭和63)年10月吉日建立された「傷痍の碑」です。
大東亜戦争で傷をおった軍人や病気になった方達のの慰霊碑だそうです。残念ながら、管理をされる方がいないのか、たくさんの落ち葉が積もっていました。

長迫公園(海軍墓地)に到着しました。上から降りてくるのが新鮮!
月に一回「戦艦扶桑」の慰霊碑清掃に来ているのですが、いつも下から来るので、上から入るのは初めてです。

ガイド役の竹本さんが、あらゆる道やスポットを調べ、上からも下からも、西からも東からも、あらゆる方向から歩いて検証してくれているからこその、コース設計なのです。

海軍墓地の見晴台のちょっと下にある「第17駆逐隊之碑」。

第17駆逐隊は、太平洋戦争で最新鋭の駆逐艦部隊として大活躍しました。
その中の「雪風」は、終戦まで生き残った駆逐艦です。数々の海戦や特攻に参加し、時には魚雷が打ち込まれる(しかし、なんと不発弾!)などのピンチを乗り越えつつ、大きな損傷を受けなかった「雪風」。なんと、犠牲者5名で、最高の強運艦・幸運艦隊と言われました。
その活躍ぶりと数々の奇跡的な逸話に共感しており、個人的に大好きな艦です。

「雪風」の主錨と舵輪は、現在江田島の第一術科学校に展示されています。
*江田島に見学に行った時の記事はこちら
「雪風」に会いに江田島へ(リンクあり)

海軍墓地には、「軍艦青葉戦没者慰霊碑」、「レンドバ島派遣隊戦没者慰霊碑」、「軍艦矢矧殉職者の碑」、「戦艦大和戦死者の碑」など91基の合祀(ごうし)碑など、戦前に建立された墓碑が157基、英国水兵の墓1基、建立されています。

英国水兵の墓碑は、太平洋戦争が始まり、「鬼畜米英」が叫ばれた戦時中に十字架が壊される事件があり、そのことがきっかけとで、この檻ができたそうです。

海軍墓地はいつもきれいに清掃されており、どなたかがお参りしたり清掃する姿が見られます。
こんな素晴らしい場所が身近にあるのだから、我々呉市民は、海軍墓地にもっと足を運び、手を合わせなければ。

戦争と平和、世界情勢について、先人が成し遂げてきたこと、守りたかったこと、伝えたかったこと。
この地から学ぶことを真摯に受け止めたいと思います。。。

海軍墓地を後にして、次に向かったのは平原神社。旧呉総氏神である亀山神社の小宮で、秋の小祭りには、”鬼”のような面をつけて暴れる「やぶ」が登場します。
この「やぶ」も呉ならではの大切にしたい郷土文化です。やぶ、大好き〜〜〜!!

「やぶ」について書いたKUREP 編集長の記事(リンクあり)

平原神社から降りて、終盤に近づいてきました。
歩きながら、町と町の境目を確認したり、橋の名前をチェックしたり。
呉の街には、まだまだ知らないことがいっぱいです。

今回も今まで歩いたことの無い道、見たことの無い風景、知らなかった歴史を知ることができました。
案内役の竹本哲朗さんの、丁寧に作り込んだオリジナル資料とユニークな「街あるき」は、毎回楽しみです!
お疲れ様&有難うございました〜♪

さて、次回は2月19日に「第18回街あるき」を開催します。
さらにマニア〜〜ック!
「西谷〜望地町」を歩きますよ〜。
ちょっときつい箇所もありますが、地元の人以外、歩くことの無いであろうユニークな路地と坂を一緒に歩いてみませんか?

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