第25回呉街あるき~畝原街道を歩こう/ レポート

今回の「街あるき」は、なんと江戸時代までを想像する街あるきでした。

惣付、畝原、西教寺前、長ノ木を通って、呉から広島へ通じる唯一の陸を「畝原街道」を探して歩きました。

当初は「長ノ木街道を歩こう」と計画していましたが、昭和28年に久保田利数氏が発行した「呉浦文化の一面観」の付録にあった「なかのき商店街」という地図に街あるきストの竹本哲朗氏が注目!!

そもそも現在「長ノ木」と呼ばれる場所は、灰が峰の分水嶺となっているところで、東側に山田村、西側に庄村があり、その「なかのち(中央境の地)」が「なかのき」になったのだそうです。

「長ノ木」→「なかのき」→「なかのち」のという地名をたどっていけるとは初耳です。 ふ〜〜む、その近所の方もこんな話を聞いたことがないのでは?
「ここが”上井手”と合流する地点です」という竹本さんの説明にうなずく参加者。”下井手”・”上井手”という用水路が出来たことが呉市の発展のきっかけになったのは、「街あるき」好きには大分理解ができるようになりました。


ちなみに、元禄年間(16881703)の呉浦古地図には「なかのき」の地名が記載されており、文化年間(1804181)の呉浦古図には「長ノ木」は道として記載されているそうです。
元禄年間から文化年間に至る約100年の間に、山田村・庄村とも人口が増加し、交通量も増えました。

「ここからさらに歩いていくと、栃原、苗代方面に通じています。昔は広島方面に通ずる唯一の陸路として、”奥の人”と呼ばれる人々がここを米や薪、野菜などを担いで運びました」と説明する竹本さん。

なんとこの細い道が、呉と広島を繋ぐ唯一の道だっだとは・・・。
”奥の人”と呼ばれた人が足で峠や山を越え、荷物を運んできたのです。
先人の凄さや苦労を想像すると、驚きしかありません。


資料や説明によって、その土地の成り立ちを聞くと、さっきまで歩いていた道がぐっと深みを持ってきます。山坂を日々往復して、人は暮らしてきたのですね〜。

街あるきの途中では、ユニークなものも発見できます!
だれが何故このオブジェをここに〜(笑)


細い道、住宅の中を通って、すずさん家へ。
何度も行っているにもかかわらず、迷子になるスポットです。
案内するガイドがいると、いないでは大違い。
さて、ユーカリの大木が目印となっている「すずさん家」に到着しました!

原作者のこうの史代さんが呉市に対して祖母が住んでいたお宅の跡地を「呉市の活性化に役立てて欲しい」と寄付されました。

歩いてでしかいけない場所、地元民でも難易度高し!だからこそ、観光化して荒らされない場所なのかも。


アニメ映画「この世界の片隅に」ですずさんと周作さんが腰掛けて見ていた同じ風景も見られました。海と船、クレーンが見える呉らしい風景!

そして、畝原(うねはら)町の案内地図の前で、地名や苗字の由来を聞きます。桧和田さん、太刀掛さん、宇土さん、荒谷さん、豊田さんなどなど。そう言えば、同級生にいたな〜、近所にいたな〜と思う苗字を懐かしく思い出しました。
みんな、どこかで地名や苗字で繋がっていて、歴史を紐解いたら親戚だったり、言われのあるお家だったりするのでしょう。

「長ノ木商店街見取図(明治初年頃)」の地図を見ながら歩きます。
庄村、山田村、長ノ木街道沿いには、もともと呉の繁栄につながる商店街がありました。

八百屋・下駄屋・呉服屋・醤油屋・薬屋・材木屋・米屋・酒屋・医者・髪結・鍛冶屋などなど、およそ生活に必要なものは揃っており、それが呉と広島を行き来して繁栄しました。

「呉家旧居跡」の石柱前にて。

「呉市には、本当に立派な名家”呉”さんがいました。その家系と全国で活躍した子孫について、呉市民にもっと知ってほしい」というのは、竹本さんの願いでもあります。
呉 黄石・医学者、呉 文聰・統計学者、呉 秀三・精神病学の権威、呉 文炳・日本大学総長 呉市名誉市民第1号などなど、日本を牽引した一族の祖先が呉にいた「呉家」なのです。
詳しい説明は、ぜひ「街あるき」で聞いてくださいね。


そして、「この世界の片隅に」で有名になった「三ツ蔵」。
これは、「長ノ木街道」の豪商であった澤原家の蔵です。かつては浅野藩主(殿様)を迎え入れ、明治時代は呉の経済界で名を轟かせた澤原家。
今は、この屋敷は国指定重要文化財に指定されており、本宅と三ツ蔵には呉の歴史がびっしり詰まっています。

呉の繁栄と衰退の歴史を、歩いて間近に感じる「街あるき」。
今回参加した方も深い「学び」があっことでしょう。

次回の「街あるき」は2024年2月18日(日)
鹿田町界隈を歩く予定です。

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