第10回街あるき 上井手を歩く

2022年4月16日(日)、「第10回まち歩き」に参加して上井手を歩いてきました。
先月は呉市の史跡になっている下井手を歩き、今月が上井手へ。

内神町入口から西内神、貴船神社の上、西辰川、西惣付公園、畝原公園、西教寺前など、約6.1キロを2時間で歩くコースです。

そもそも「井手」って?というところから、スタートなのですが(笑)
川から水を流すために作られた大小の用水路のことで、主に農業用水(古くは飲料水も含まれていた)を流していました。
1724(享保9)年当時庄山田村庄屋(熊崎)新左衛門によって築造された「下井手」、新左衛門の子の弥七が庄屋になると、両井手の修理に尽くし、弥七の子次郎四郎がさらに修復を加えながら、新たに流路を掘削して二河の上井手を完成させました。
村民全員が力を合わせて苦労して完成させたおかげで、庄山田村の髙地部でも水不足に悩まされることもなく、米作りができるようになりました。
1739(元文4)年の大干ばつの時も、他の村では水不足で田植えが出来なかった時も庄山田村では下井手・上井手のおかげで田植えが出来たと伝えられています。
当時は便利な道具や測量技術があったわけでないし、村民が全員協力して作った「井手」がどれほど大変な作業で重要な意味があったのか。歴史ロマンを感じます。


自分では到底歩かないであろうコースですが、街あるきストの竹本哲朗さんが何度も歩いて検証をしてくれたからこそ、安心して後を着いていけます。
雲ひとつない晴天!まち歩きには最高の一日です。
そして、狭い道だからこそ、歩くのが一番!
「あっ。灰ケ峰のてっぺんだ〜!」
「結構な山の中だけど、家がたくさんあるね」
「土地の狭い呉市だから、人口が40万人もいた頃は山の麓まで家を建てたのよ」
「こんな道があったのね〜」
そんな会話をしながら歩きます。すると、こんな見事な竹林があったり。

見事な樹齢の木があったり。
「ちょっと歩いただけなのに、自然たっぷりじゃねぇ〜〜」
「呉に住んでるけど、こんな場所があったんですね!」
かと思えば、こんなに見晴らしのいい大パノラマが見られたり。
自然と住宅地の境目が面白い!!
絶景の見晴らしポイントも、竹本さんは全部把握済みです。
ところどころ、説明を入れながら案内をしてくれます。
犬が元気に吠えるお家までも、リサーチ済みです(笑)
近所の人しか歩かない様な道も、どこに繋がっているのか、全て歩いたそうです(拍手)
「ここを曲がります!」といきなり細い道に入っていくのが竹本ガイドの面白さ!
家と家の隙間を縫って、迷路の様な細道を歩くという体験にワクワクします。
井手をたどって街を横切り、複雑な小道を歩きます。街あるきストの竹本哲朗さんならではのコース。
もうどこを歩いているのか分かりません。呉市内のはずなのに、初めて歩く道ばかりで、ちょっとした旅行者気分が味わえます。
現在の井手跡は住宅や庭の下・小路・・・等に隠れています。
「上井手をたどる」ことを目的にして、上井手の終点になる畝原公園へ。

その他、帰路につきつつ、井手の掘削に寄与した「熊崎新左衛門」の本家にあたる宮原家のお墓や呉の名家「呉家」の旧居跡、アニメ映画「この世界の片隅に」で有名になった三ッ蔵を所有していた澤原家、長ノ木商店街などの説明を受けながら無事に着きました。
毎回初めて知ること、見ることが多く、盛りだくさんな「まち歩き」でした。

呉に生まれ育っても、知ってるようで知らないことばかり。
だからこそ、呉市に住んでいる人や近隣の学校、地域の人にも参加してもらえたらいいなぁ〜。
今後は地域連携、教育関係にも働きかけていき、街の魅力を再発見していこうと思います。
健脚になって、呉がますます楽しくなる「まち歩き」、どうぞ宜しくお願い致します。

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