日本遺産「亀ヶ首発射場跡」へ

8月8日は、「くれ・ひと・まち情報応援団」が企画した「感謝!ハチハチハチマル作戦。ヨーソローツアー」に参加し、倉橋島の東端にある「亀ヶ首発射場跡」へ行ってきました!

「亀ヶ首発射場跡」は1901年に初めての発射試験が行われ、世界最大の口径46cmを誇る戦艦大和の主砲や数多くの軍艦の大砲などの発射試験をした場所、いわば海軍のトップシークレットのため、長く表に出ることのなかった場所です。

そして、「亀ヶ首発射場跡」はその貴重さから日本遺産に認定さてれる場所なのですが、陸路からのアクセスが難しく、船で行くしかない、と聞いていた未知の場所です。「どうせ行くなら、ちょっと大きい船にして、他にも行きたい人と一緒に行こう!」と船をチャーターすることに。

幸いにも乗船時には雨が降らず、意気揚々と「くれない2」に乗り込みます

バンカーサプライさんと、現地の案内をしてもらう「くらはし観光ボランティアガイドの会」さんにご協力を仰ぎ、一向に落ち着かないコロナ禍の中、さらに雨や迫る台風の心配をしながらの開催でした。

これまで行きたくてもなかなか行けなかった場所に行けるとあって、船内の参加者もやや興奮気味。熱心に資料をみたり、ボランティアガイドさんの話に耳を傾けたり。

空母瑞鶴の朝飯むすび3種、白身魚の大和煮、若鶏の唐揚げ特製ソースなど

クレイトンベイホテル総料理長菅井さんが監修して下さった特製のお弁当を船内でいただきながら、気持ちが高まります。

さぁ、いよいよ上陸です。
「日本遺産」でありながら、簡単に来れない場所!参加者のほぼ全員が初めて足を踏み入れます。


呉市倉橋町にある「亀ヶ首発射場跡」。ここは、ほぼ手付かずの戦争の息遣いが残っていました。
今回のツアーのために、「くらはし観光ボランティアガイドの会」の皆さんが事前に草刈りをして下さったのですが、それでも鬱蒼としたジャングルが目の前に立ちはだかります!

「え?ここは本当に日本なの?呉なの?」「ま、まさか、こんな建物が残っているとは・・・」
驚きの声があちこちから聞こえます。

戦後は進駐軍が残っていた施設の多くを破壊しましたが、あまりにも強固な作りで爆破しきれなかったり、一部は廃墟として残っています。

時が止まったように、残っている煉瓦の壁やトンネル、階段など、どれもかっちりと作られており、当時の技術の高さが伺えます。
ここで働いていた方達は、どんな思いで作業をしていたのでしょうか。
しばし想いをめぐらせました。
堅牢なトンネルの中からは、大きなコウモリが飛び出して(泣)
階段付近にはハチが何十匹もブンブン飛んでいました。
戦後、ほぼ手付かずの場所にお邪魔しておりますゆえ、足元や虫、蛇などに注意です(汗)
建立された供養碑の前で手を合わせました。 このガイドの本職はお寺の住職さんです。驚いたのは、試射の計測機が置かれていた中枢部である象徴的なこのコンクリート製の二重ドーム構造。
見事な曲線と作り。あまりにも頑丈すぎて進駐軍が途中で破壊するのを断念したという素晴らしいエピソードが残っています。

120年以上もの時空を超えて、ようやく立ち入ることの出来た場所。
実際に、自分の目で見て感じるこの空気感。
ビリビリと感じる先人たちの偉大さ、荘厳さ。
日本ってすごい!呉ってすごい!!


上陸時間は約1時間。
これまで自分たちの知っている日本では無く、呉では無く。今で無く、昔で無く、何時なんだろう。とにかく、参加者一同、不思議な旅をしたような気持ちに包まれていたと思います。

ガイドさんがいなければ、絶対にこのジャングルの中を歩けなかったと思います。安全な案内と丁寧な説明、本当に有難うございました。


そして、再び乗船し、情島では船を一時止めて、大破着底した戦艦日向を偲んで献花をしました。


空母天城・葛城、航空戦艦伊勢が大破着底した付近であり、日本一の塩の山がある三ツ子島近くも航行しました。
いつも遠くから見ていた塩の山。雨が降っても、近くの海は特別にしょっぱくならないそうです(笑)三ツ子島も、本当にユニークな島ですね〜。

帰路の途中にも、次々とミラクル続出、連発!
そうりゅう型潜水艦が船の間近に現れました。わ〜!!

運がいいのか悪いのか、丁度、台風が接近中の日。
台風避難のため、呉湾に停泊していた自衛艦が次々と出航する様が見られました。
船内のガイドさんも「皆さん、こんなこと滅多にありませんよ!」と興奮するほど、とにかく、ど迫力です。

練習艦はたかぜ

あまりの迫力と偶然のタイミングに、船内は熱気にあふれた最高のツアーとなりました。

そして、船が無事に帰港したのが15時過ぎ。それから程なくして雨が降り始めました。
天も見守る「感謝!ハチハチハチマル作戦。ヨーソローツアー」、ご参加の皆様、関係者の皆様、有難うございました〜〜!

本日も、新型コロナウイルスの国内の感染者数は新たに1万8千人以上が確認され、1日当たりの最多を更新。
呉市はクラスターが発生し、西日本豪雨災害級の雨が予想されるとのお知らせが届きます。

緊急事態宣言と見えない敵との長い戦い。

どんな時でも、想いを一つにして覚悟を持って「船」に乗る。
非常時でも一歩を踏み出す、大きな意味のあるツアーになりました。
今後も、次回のツアーの企画や、草刈りボランティア、船と海を使ったツアー、呉のまち歩きなど、次々と進めて参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

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