第十一海軍航空廠 廠長官舎。さよなら恵光荘。

今朝、面白いアンテナを持っている友人から「広の国際大学横にあるミツトヨ所有の”第十一海軍航空廠 廠長官舎”の取り壊しが決まったそうです。」という一報が入りました

な、何ですと〜〜!ミツトヨさんはご近所さんですが、そんな歴史的な建物が敷地内にあるとは全く知りませんでした。
目の前の道路は何百回、何千回となく通っているにもかかわらず、いやはや〜(汗)
ツイッターでもその解体について話題になっており、解体を惜しむ声が上がっていました(提督勢、すごいなぁ)。

KUREP編集長、恥ずかしながら海軍の歴史は全然詳しくありませんが、ご近所のメリットを最大限に生かし、早速突撃取材です!
機動力自慢!

取り壊しは11月半ばからスタートする予定で、業者さんと色々段取りを決めている最中だそうです。
「どうにか残せないものか」という声が全国から上がっているとも伝えましたが・・・会社としては本当に苦渋の決断です。
ミツトヨさんは日本トップクラスの測定機器メーカーのため、新しい施設の建設に伴う駐車場不足などの問題から、止む無く敷地内にあるこの家屋を取り壊すことになりました。

どうにか解体するまでに一部だけでも公開や見学を受け入れてもらえないか、とも割としつこく交渉しましたが、解体までのスケジュールに余裕がなく、一般の受け入れは難しいとのこと。力不足で申し訳ありません・・・。
せめてウェブに写真を掲載して、記録として残すのなら、と撮影をさせてもらえることになりました。

広い敷地内をテクテク歩くと、なんとも素敵なお家が見えてきました。
おおおお〜!まさか、こんなお家が残っていたとは!!!!ちょっと興奮気味!!!

当時の瀟洒な雰囲気そのままに。これほど綺麗な状態で現存する建物はかなり貴重でしょう。


名前は「恵光荘」、戦時中に作られたとか。しかし、会社でも歴史を把握している人もあまりいないそうです。

ふと見上げた照明のデザイン、素敵ですね。

図々しく中も見せていただくことに。
思わず、「わぁ〜〜〜〜」と声をあげてしまいました。
重厚な玄関ホール。かつて、たくさんのお客様を迎えたのでしょう。

柱にも意匠が凝らされています。

暖炉のあるメインダイニング。

和室の広間。時々、社員さんの集まりなどで使用していたようです。

 

こういう建具も、今は珍しいですね。ネジで止めるタイプ。

 

建物の中はとても広く、このような小部屋がいくつかありました。その他、炊事場は2箇所、お風呂も2箇所ありました。

裏にある勝手口。

長い長い廊下が続きます。案内してくれたミツトヨの社員さん。感謝です!

解体に向けて、中の荷物の整理が進められていました。

こういうガラスも、今は見かけませんね。モダンな雰囲気がたまりません。

建物の中から見たお庭。今もとても綺麗に手入れされています。芝生はふかふか、蝶々もたくさん飛んでいました。
第十一海軍航空廠 廠長官も同じ景色を見たのでしょうか。

藤棚もあります。もうこの藤棚に花が咲く光景を見ることはありません。残念・・・

庭にある柿の木にはたわわに実った柿が。今年は当たり年です。

会社の敷地内にあるため、今朝まで全くその存在を知りませんでした。
解体はとても残念ですが、ミツトヨさんでは一部の建具を保存したり、模型を作るなど、次世代に向けてリレーする取り組みもあるそうです。
地元呉でもほとんどその存在を知られないまま、ひっそりと取り壊される日は間近です。
さよなら、恵光荘。

今朝聞いてお昼には突撃するという、突然の取材に対応してくれたミツトヨさん、どうも有難うございました。
貴重な記録として、この情報が一人でも多くの人に届けば幸いです。

(2019年10月29日)

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