毎回、発見と驚きがある「街あるき」！
2022年11月20日、「第15回街あるき」旧澤原家（三ッ蔵）見学＆すずさん家コースを歩きましたよ〜。
江戸時代以前から続く商家「旧澤原家」の特別見学からスタートし、旧春熙園、辰川線のバス通り、すずさん家に至る嫁入コース、澤原家に縁のある、旧呉家住居跡、宮原本家、三穂屋跡、宮原幸三郎宅跡（胡町公園）などを「街あるき」しました。
集合場所の呉市役所斜め前、コメダ珈琲の真横「KUREP ＋」から、旧澤原家住宅（きゅうさわはらけじゅうたく）まで、徒歩約１０分。アニメ映画”この世界の片隅に”ですずさんが澤原家の所有する「三ツ蔵」の前を歩くシーンが印象に残ってる方も多いでしょう。
呉市では年に6回ほど旧澤原家住宅を一般公開をしてますが、その日にちとは他に、特別に市の職員さんに依頼して、案内して頂きました。
表門（御成門）広島藩主視察のための休憩所兼宿所の前座敷を見学。
「ええー！街中の近くに、こんな立派なお家があったとは！」
「目の前を何度も通ったことはありますが、中に入るのは初めてです〜」
と、感嘆する声が聞こえます。
安芸郡庄山田村の庄屋・割庄屋として莫大な財を成していた澤原家。その当時に造られた門や柱、座敷、蔵などから、澤原家の財力や権力がいかに凄かったのか、時を経てなお感じる威厳のある雰囲気に感動しました。
平成17年に「旧澤原家住宅」が国指定重要文化財になったことは大いに納得ですし、街中にこのような由緒のある家が存在することに、呉市民として驚くしか無いです！
そして、澤原家の前の「長ノ木街道」は、明治の中頃まで広島城下と結ばれた唯一の街道でした。現在は、車一台がどうにか通るくらいのこの細い道が広島と呉を繋ぐ主要道路だったなんて（驚き）、と想像してみましょう。
「旧澤原家住宅」を見学した感動を引きずりながら「街あるき」は続きます。参加メンバーは竹本さんの後ろについて、細い道や坂をふぅふぅ言いながら歩きます。今回のコースは、「すずさんのお嫁入りコース」として、姫野医院から上井手筋、畝原尾根を通りました。
目印のない細くて入り組んだ道を、竹本さんは何度も歩いて歩いて、猫の細道まで網羅しているからこそ、スタスタ迷わずに歩いてく後ろ姿の頼もしさ。迷路のような道をかいくぐって、ようやく「すずさん家」に到着でーす。
「すずさん、こんな山の上に家があったんだ・・・。そりゃ買物も大変だよ〜」と、実感すること間違いなし！！！のコースでしたよ。
そして、西教寺や「熊崎家の墓」「宮原家の墓（元屋）」、「宮原家三穂屋累代の墓」、その先の特別区画にある「澤原家の墓」を見学。
詳しく歴史を知らない方には「？？？」と思われるでしょうが、呉の歴史を調べるうちに、宮原・熊崎・澤原家が無ければ呉市の繁栄はなかったと言われるほど、呉市の「水にまつわる歴史」に深く関わった家々です。
そのお墓をお参りしながら歩くマニアックな企画は、この「街あるき」ならでは。というより「竹本調べ」の凄さです（笑）
さて、後半になってきた「街あるき」の説明の聞き所は、ズバリこの「呉家旧居跡」です。
道端にある小さな石碑ですので、見逃してしまうかも知れませんが、この「呉」家がすごいんです！！！！
呉市のキャラクター「呉氏」くんも良いけれど、呉市民にとって実は知るべき話は「呉」家では！と竹本さんが熱く語ります。
私には詳しく書ける知恵がないので、ざっくり書きますと、呉市には本当の「呉」さんが居ました。
元は呉に生まれた「山田黄石」という名字でしたが、東京に出て医学者として活躍しましたが、呉が好きすぎて苗字を変え「呉黄石（おうせき）」さんとなり、結婚して３男４女をもうけ、呉家の始祖にあたる存在になります。
黄石さんの次男「呉文聡（あやとし）」さんは、統計学者の第一人者であり、「国勢調査の父」と呼ばれる偉人。
三男「呉秀三（くれひでそう）」さんは、東京大学教授・精神医学者として著名で、現在も医学会では教科書に出てくる人物です。
そして、黄石さんの孫になるふたり、「呉文聡」の長男「呉 建 （くれ けん）」さんは、東京大学内科教授、帝国学士院恩賜賞を受賞。
四男「呉文炳（ふみあき）」さんは、日本大学第四代総長、貴族院議員とをつとめ、資産の多くを呉市に寄贈した功績のため呉で最初に名誉市民なりました。
呉市民であれば、もっと地域や学校でも知ってほしい本当の「呉」家、呉氏さんの存在でした。
「呉家」の詳しい説明のリンクは、「椿七十郎徒然草」へ
元祖呉氏か黄石父子
今回も、また一段と深く呉を知る一日になりました。
「貴重な家やお庭が見られてびっくり」「何度参加しても、知らないことばかり」「ガイドがあると勉強になりますね〜」とメンバーも感心しきり。
みなさん、お疲れ様でした〜。
「旧澤原家住宅」の見学に、ご協力いただいた呉市職員さんにも御礼申し上げます。
「くれ・ひと・まち情報応援団」では、毎月定例ミーティングや街あるき、船を借りたり、普段では入れない場所への特別ツアーなどを企画しています。
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