再び、日本遺産「亀ヶ首発射場跡」へ

2021年11月7日、またまた船をチャーターして、倉橋島の東端にある「亀ヶ首発射場跡」へ行ってきました。

ここは「亀ヶ首発射場跡」は、戦艦大和の主砲や「扶桑」「長門」など数多くの軍艦の大砲などの発射試験をした場所で、当時は軍事機密でした。
近隣の住民からは「試射の時は、まるで雷か地響きのような音が聞こえ、その振動で屋根瓦がずれた、障子が破れた」などの証言が残るものの、長く表に出ることが憚られてきた場所です。

だからこそ、当時の海軍の施設がそのまま残っているのですが、日本遺産と言われつつも、陸からも海からも交通アクセスが難しい幻の場所。「それならば〜!」と船をチャーターし、現地ガイドの案内で、呉の歴史と平和をしみじみ考えよう!というのが「ヨーソローツアー」なのです。


前回の8月のツアーから、「亀ヶ首発射場跡」の整備を呉市が進め、雑草や葦が刈り取られ、前回の時に見えなかった風景が見られる!ということで、張り切って行ってきました。

「くれない2」の船内では、艦船や歴史に詳しいガイドさんが詳しい説明をしてくれ、とても勉強になります!
今回は、ちょっと波が高かったのですが、操作する横山船長の見事な舵取りで、波を乗り越えながら進みました。
無事、亀ヶ首発射場跡に上陸。
ここは瓦礫や倒木などがある足場の良い場所ではないため、「くらはし観光ボランティアガイドの会」の方が危険な箇所をアナウンスをして、3グループに分かれて歩きました。
わぁ、何ということでしょう〜〜!
前回より草刈りが進み、これまで見えなかった構造物が見えるように。
ガイドさんたちも、入れなかった箇所が見られるようになったため、これから出てきたものを調べて行くそうです。
また知られざる発見があるかもしれませんね!
草が生い茂って見通しの悪かった場所。
「ここから四国の海が見えるようになったら良いですね〜」と前回話をしていたところに、なんと道が出来ていました!!
呉市が重機を入れ、構造物を壊さないよう配慮して草刈りをしてくれたおかげです。ここを進みむと、パァ〜〜〜〜っと開けて四国の海が見えました。
今まで見えなかった、初めての風景に胸が高鳴ります。
この景色が見られたのは、何十年ぶりかのことだと思います。
そして、まだまだ草刈りが行われていない箇所には、進駐軍に爆破された当時のままの建築や構造物が今も眠っているのです。
深い深い歴史の中から、やっと光が当てられつつある「亀ヶ首発射場跡」。
呉に住んでいる人も、その存在をほとんど知らず、知っていても、行きたくても行けない場所。上の2点が草刈りの後です。↑
試射を行う時に、記録を取ったり、時には退避するのに使われた「退避壕」

下は8月8日の写真。↓
草木がジャングルのように茂ってよく見えなかった「退避壕」が、今回ようやく姿を表しました。

皆さん、時空を超えて現れた初めて見る風景に、ただただ圧倒されておりました。

まだまだ整備を進めて、綺麗に草を刈ったり、歩きやすいようにしなければなりませんが、この場所に残された貴重な建築や、それにまつわる人たちの思いを大切せねば!と強く思いました。

何故か出てきたマネキンの首。
一人で見たら、めちゃくちゃ怖かったかも・・・・


実際のところ、準備や管理、打ち合わせなど、色々大変ではありましたが、
「初めて来て、感動しています」「目から鱗です!」「遠くから来た甲斐がありました」との声をいただき、本当に良かったです。

かつてここで働いていた人はどんな気持ちで従事していたのでしょうか。
それぞれの胸に思いを秘めて、静かに手を合わせました。

帰路は、音戸にあるコンクリート船を海から見ました。
戦時中は鋼材不足のため、金属ではなくコンクリートで輸送船が作られていました。昭和28年に音戸漁港に払い下げられ、防波堤として設置されましたが、音戸の人でもその存在に気づかなかった人が多かったそうです。
三ツ子島や情島の沖も航行し、航空母艦「天城」「葛城」、戦艦「伊勢」が着底した場所を巡りました。

艦船めぐりのコースでは、今回は珍しい艦も見えました!
呉基地に寄港中のオーストラリアのフリゲート艦「Warramunga(ワラムンガ)」です。カンガルーのマークが入っていますね。
乗員さんも大きく手を振ってくれましたよ〜。

「見た事の無い風景を見て欲しい」、「皆の記憶に残る一日にしたい」、「先人の残した技術や思いを感じて欲しい」そんな一念で企画したツアーは、時間オーバーや至らぬエラーもちょいちょいありましたが、無事に帰港することが出来ました。

ご参加の皆様、素敵な船を出してくれたバンカーサプライの皆様、「くらはし観光ボランティアガイドの会」、ツアー後援の呉市、ご協力や声がけをして下さった皆様。本当にありがとうございました。週初めは雨の予報も、気持ちの良い晴天に!
今回も天が見守る「ヨーソローツアー」となりました。

これからも、「くれ・ひと・まち情報応援団」は、呉の深いい歴史やストーリーを学びながら、まち歩きやスペシャルツアー、見学会、勉強会などを開催して、呉の魅力を再発見していきたいと思います。

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